ETFの買い方・売り方
「株のように自由に売り買いできる投資信託」がETF・・・と説明しました。では、どこで取引できるのでしょうか?
証券会社を通じて、取引所に注文を出します。まったく株の取引と同じです。
インターネット証券でも対面型の証券会社でもいいので、口座を開きます。インターネット証券であれば、株式取引のページから株式と同じように注文を入れます。
一般の株式同様に4桁の銘柄コードもそれぞれのETFに付与されています。銘柄を指定して、売り・買いの別、指値(さしね)か成行(なりゆき)か、指値ならばいくらで注文するのかなどを入力します。また、ETFも信用取引(借金して株を買うサービス)ができるところも、一般の株式とまったく同じです。
そこで、ETFの「値段」に関する注意点があります。
まず、ETFには2つの値段があります。一つは「基準価額」、もう一つは「取引価格(流通価格)」です。
ETFは、一定の「お金の集まり」をプロが運用する金融商品(ファンド)であると前回説明しました。運用するということは、そのお金で株式などを買って持っている(組入れている)ことを意味します。
ファンドに入っている株式等の価値(時価)を表すのが「基準価額」です。そのファンドの投資対象となっているモノが上がるか下がるかで変わってきます。
一方、「取引価格」はそのファンドがいくらで取引されているかを表す値段です。そのファンドを高くても買う人が多ければ値上がりしますし、安くても売る人が多ければ下落します。需給(買いたい人・売りたい人の意思)で決まるところが株式と同じです。
「取引価格」はそのファンドの需給で決まる。
「基準価額」はそのファンドの組入れ内容によって決まる。
このように、この二つの値段は、まったく関係のない決まり方をしています。
そこで、もう一歩踏み込んで、考えます。
ETFはインデックスファンドなので、インデックス(日経平均株価やニューヨークダウなどの株価指数)に連動することを目指してプロが運用します。それを前提に考えてみてください。
「日経平均に連動するファンド」を日経平均よりも高い値段で買いたい人、安い値段で売りたい人がいるでしょうか? 日経平均と同じ動きをするファンドなら、やっぱり、「日経平均と同じくらいの値段で買いたい」人が多いはずなので、基本的には、「基準価額」の動きと「取引価格」の動きは同じようになります。
もちろん、実際には「日経平均より高くても買いたい」「日経平均よりうんと安くても売りたい」と考えて注文を出す人がいない訳ではありませんから、短期的又は継続的に日経平均の動きとファンドの取引価格の動きがバラバラになる(連動しない)こともあります。
ただ、理論的には(長期で見れば)、日経平均への連動を目指すETFは、取引所の取引価格でも連動に近い動きをするはずです。
そんな時価で売り買いできますので、繊細に連動性を気にする機関投資家(プロ)でもなければ、個人投資家は、日経平均などの指標に連動した成果が欲しい場合には十分使えると思います。
また、インデックスファンドといえば、一般の投資信託を買う選択肢もあります。どちらも、インデックスに連動を目指す点では同じですが、信託報酬(ファンドの管理費)が安いことでETFが勧められることが多いです。
もう一つ、ETFをお勧めしたい点は、一日のうち市場が開いていれば何時でも注文が出せることが挙げられます。一般の投資信託で、例えば、日経平均連動ファンドを例に取れば、1日に1回だけ、その日の日経平均株価の終値で計算された基準価額があり、その価格で購入・解約することとなります。
注文はいつでも入れられますが、注文が成立するのは、終値のその値段だけです。予約というカタチで入力(注文)だけはできますが、とにもかくにも終値一本勝負です。
実は、自分でも経験があるのですが、前日まで調子の良かった日経平均が当日前場(朝9時~11時30分)中に雲行きが怪しく、保有する投資信託を売却しました。案の定、後場からかなり大きな急落に見舞われ・・・。持っていたのが一般の投資信託であったため、とっぷり下がった後場の終値(15時)で計算された基準価額での売却となりました。「あ~あ、ETFだったら、前場中に売れたのにな・・・」と大きな声でつぶやいたものです。
さて、色々とカラクリを書きましたが、要は、ETFは、投資対象(インデックス)を見ながら、株と同じように取引ができます。
金融商品取引業者 株式会社One Tap BUY(ワンタップバイ)
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